スマホを買い替えるとき、携帯ショップに行きますか?ネットで買いますか?
- ネットで機種変更したいけどやり方がわからない
- わからない・不安だから携帯ショップに行く
- そもそもネットで機種変更できることを知らない
こうした理由で携帯ショップに行く人も多いと思います。
ショップに行くことを否定はしませんが、正直、デメリットのほうが多いです。
携帯ショップ店員が携帯ショップで機種変更をしないことがなによりの証拠です。店頭で買うと損することをだれよりも知っているからです。
実際に5年間ドコモショップで働いたぼくの目線で、携帯ショップでの機種変更をおすすめしない理由を解説します。
元従業員として、すべての内情を赤裸々に語ることはできません。あくまでネットや店頭でだれでも知りうる事実を、元店員目線で解説します。ドコモショップでの実体験が元ですが、au・ソフトバンクも同じと考えてよいでしょう。
前提
携帯ショップの話をするうえで、2つの前提を簡単に解説します。
- ほとんどの携帯ショップは代理店運営
- 代理店の収益はキャリアからの手数料
携帯ショップは代理店運営
たとえば同じドコモショップでも、運営している会社は店舗によって異なります。これはすでに多くの方がご存知でしょう。
ご案内するドコモの商品やサービスは同じ(代理店独自サービスを除く)なので、利用者側はあまり気にする必要はありません。
ただし、営利企業がキャリアとお客様の間に入っているということは理解しておきましょう。
代理店の収益はキャリアからの手数料
代理店の主な収益源はキャリアからの手数料です。販売・契約数の評価制度があり、その成果に応じてキャリアから代理店へ手数料が支払われます。
ただ、この仕組みが携帯業界の悪習の原因のひとつなんです。
- キャリアが代理店へ厳しい指標を課す
- 代理店は目標達成のために強引な販売・過度な値引きなどを行う
- 消費者が不利益を被る、総務省から問題視される
ここ最近の評価指標はわかりませんが、他社からの乗り換えが重視されているのは間違いないでしょう。携帯電話市場はすでに飽和状態で、新規契約は見込めません。乗り換えで派手な端末値引きが行われるのはそのためです。
携帯ショップでの機種変更の利用をおすすめしない理由
店頭とネットで購入・契約できる商品やサービスは同じですが、店頭で手続きする場合はこれだけのデメリットがあります。
- 機種代金が高い
- 手数料がかかる
- 店員はガチャ
- 店員のおすすめは信用できない
- 手続き時間が長い
機種代金が高い
店頭でスマホを買う場合、頭金という名目で金額が上乗せされています。
「頭金という名目」と言ったのは、世間一般の頭金ではないからです。
携帯ショップの頭金は元金の減らない頭金、いわば店頭販売手数料です。
頭金とは本来、分割購入時に総額の一部を最初に支払うもので、頭金を支払えばその分元金が減ります。
でも、携帯ショップの頭金は通常価格に上乗せされた金額のため「店頭価格ー頭金=通常価格」となります。
しかも、この頭金は年々高くなっています。
ぼくが入社した頃、頭金は5,400円(税込み)程度でしたが、今では16,500円(税込み)です。
まったく同じ端末を買うのに、店頭で買うか、ネットで買うかで16,500円の差があります。
「わからないから店員さんに説明してほしい」「自分でネットでやるのは不安」
気持ちはわかります。でも、ネットより店頭のほうが少し高いのはしょうがないと言うには度を越しています。
調べながら自力でやってみて、たとえ1時間かかったとしてもそれで16,500円節約できます。
自力でがんばったご褒美においしいご飯を食べてもお釣りがきます。
手数料がかかる
店頭で機種変更の手続きをすると、2,200円の手数料がかかります。ぼくも当時は当たり前のように説明していました。
これ、なんの疑問も持たずに支払っていませんか?
オンライン手続きであれば手数料無料なのにそれでもあなたはショップに行きますか?
しかも、店頭手数料は2023年7月から3,850円に値上げが決定しています。
頭金16,500円+手数料3,850円
店頭で機種変更した時点で、オンライン手続きと比べて2万円損します。
店頭よりネットのほうが安い、というのは珍しくありませんが、2万円の差はやばすぎます。
また、機種変更の際に行うデータ移行も、店員に依頼すれば別途2,200円の手数料がかかります。
データ移行は昔は無料でしたが、今はこうしたサポート業務も手数料が発生するようになりました。
ショップはボランティアではないので、手数料はかかって当然かもしれません。ただ、機種変更もデータ移行も、専門知識や特別な器具などが必要なものではありません。知っていればだれでもできます。必要な情報はネットにあふれています。自分で調べるかどうかの差が2万円です。
店員はガチャ
ここまで読んで、
「2万円高くてもいいから、店員さんに相談して機種を選びたいからショップに行く」という方もいるかもしれません。
たしかに、プロの案内を受けてより良い選択をするためにお金を払う、これはひとつの考え方としてありでしょう。
ただ、問題は、携帯ショップ店員は販売や手続きのプロであって、スマホ選びのプロではないということです。
元ドコモショップ店員として断言しますが、
多くの携帯ショップ店員の端末に対する知識は、一般人とたいして変わりません。
たとえば、
- 最新のiPhoneと1年前のiPhoneのちがい
- Apple pencil第一世代とApple pencil第二世代のちがい
- ハイエンド・ミドルレンジ・エントリーのおおまかな分類
スマホ好きからしたら、日本の首都を答えるくらい簡単な質問です。
でも、わからない店員のほうが多いと思います。だって、わからなくてもぶっちゃけ務まるから。ショップに来るお客様の大半が、スマホに詳しくない人ばかり。それらしいことを言っておけばなんとかなるんです。
ちなみにぼくのいた店舗の例ですが、スマホオタクは15人中ぼくを含めたった2人でした。端末に詳しくない店員のほうが圧倒的に多いんです。
語弊を恐れずに言うと、2万円払って店員さんガチャに賭けるより、正しい知識を身に付けて自分で手続きするほうが良いとぼくは思います。
端末のことを知りたければ、店員の説明より、YouTubeのレビュー動画のほうが100倍良い情報が手に入ります。
現役店員さんの名誉を守るために補足しますが、ショップ店員は端末のことまで学ぶ時間がないのが現実です。料金プランや割引など、次々新しいものが出るので、それを覚えて案内するので手一杯です。だから、端末にも詳しいのは、休日にスマホ情報を調べるぼくのようなスマホオタクだけなんです。
店員のおすすめは店員の売りたいもの
店員のおすすめを信用できない理由はもうひとつあります。
それは、「店員のおすすめ=あなたにピッタリのもの」とは限らないからです。
冒頭で、携帯ショップを運営する代理店の仕組みを説明しました。
代理店は営利企業ですので、月間目標達成のために必死です。見込みのあるお客様がいれば積極的に提案します。売りたい商品がさもあなたにぴったりかのように理由をつけておすすめしてきます。
だから、「店員のおすすめ=店員の売りたいもの」と認識したうえで、それが自分に合うが見極める必要があります。
手続きの時間が長い
数年前から原則来店予約制になったため、店頭での待ち時間は短縮されました。
でも、手続き時間は長いままです。ショップでの手続き時間が長い理由は主に2つあります。
店員の説明事項が多い
ショップ店員が説明・入力すべき事項はとても多いです。また、規制が年々厳しくなり、説明事項は増える一方です。重要説明事項は総務省から義務付けられているため、省略できません。
もちろん大事なことではありますが、ネットでやれば自分で読んで同意のチェックをするだけなので時間短縮できます。
機種変更だけでは終わらない
機種変更で携帯ショップに行くと、「光回線」「クレジットカード」「月額制のオプションサービス」などを勧められますよね。
先ほども言ったとおり、ショップはキャリアの評価指標を常に意識しています。もちろん、提案される商品やサービスの中には有益な情報もあります。ただ、その提案に時間がかかることや、提案自体を望まない方もいるでしょう。
オンライン手続きであれば目的外の提案をされることはありませんので、自分の希望する手続きだけを行うことができます。
携帯ショップのよくある誤解
- できるだけ高い端末を売ろうとしている
- 端末分割購入の利息はかからない
高い端末を売る意味はない
携帯ショップでは、端末の販売価格はそれほど重要ではありません。高額な端末を売ればその分利益が大きくなる、という仕組みではないのです。
少しでも高額なスマホを勧めようとされている、と警戒されることもありましたが、そんなつもりはありません。
むしろ、重要なのは販売台数なので、とにかく安い端末を勧めて買い替えてもらうほうが店舗にはメリットがあります。
ただ、そんなことをしては、「安さに釣られて選んだスマホの動きが悪くて後悔した」ということになるので、あくまでニーズにあわせたスペックの端末をお勧めしていました。
端末分割購入の利息はかからない
節約系のコンテンツで、ローンを組んで余計な利息を支払うな、という発信をよく目にします。一般的にはローンを組むと利息の支払いが発生しますよね。
その中で、スマホを分割購入することもあげられていますが、これは間違いです。
スマホを分割で購入しても、利息は一切かかりません。
ネットには情報があふれていますが、正しい情報を見極める必要があります。
携帯ショップのメリット
ここまで、携帯ショップを利用するデメリットを書きました。ただ、携帯ショップにもリアル店舗だからこそのメリットもあります。
- 実物を手に取って選べる
- 店員に相談できる
- 一部キャンペーンを活用すればネットより安い場合も
実物を手に取ってスマホを選べる
スマホ選びにおいて、性能や金額はもちろん、大きさや重さ、見た目を重視して選ぶ人もいるでしょう。商品説明に大きさや重さは記載されていますが、数字で見るより体感のほうが重要です。
実物を見ずに買うと、意外と大きい、意外と重い、ということになりかねません。
実物を手に取れるのは、リアル店舗にしかない利点です。
店員に相談できる
ほとんどの店員はスマホに詳しくない言いました。それでも、どうしても自分で調べられない、だれかに相談したいという人もいるでしょう。
もし来店する場合は、次のことを整理しましょう。
- 普段のスマホの使い方
- なぜ買い替えたいのか
- 現状の不満
- 譲れない条件
- 今使っているスマホを選んだ理由
このあたりがわかれば、ぼくはお客様に合った機種を勧めやすかったです。
一部キャンペーンを活用すればネットより安い場合も
これは主に他社からの乗り換えの場合です。キャリアの評価指標において乗り換えは大きなウェイト占めます。でも、乗り換えたからといって月額料金が劇的に安くなるケースは少ないです。
そこで、端末の大幅値引きを餌に乗り換えを勧誘するのです。
これはユーザー側にとってもメリットが大きいため、自分の欲しい機種が割引対象であれば、店舗での購入も有力な選択肢になるでしょう。
月間目標達成のための値引きですので、店舗限定、しかも店舗によって割引額が異なる場合がほとんどです。
注意事項
店頭で実物に触れて、あわよくば店員に説明してもらう。そして購入はネットですればいい。
こう思った方もいるかもしれません。
ひと通り説明させられた後で、「これってネットで買ったほうが安いんですよね?じゃああとは自分でやります。」こう言われた経験もありますが、正直かなり迷惑です。
「だったら最初からネットでやれ」これがショップ店員の本音です。
もちろん、お客様に選択する権利がありますし、店頭で買うことを強制はできません。でも、最初からネットで買う気なら、せめて店員の時間を奪わないであげてください。
- 自力でできる人はネットでやるから安くなる
- サポートが必要な人は金額は高いけど店員の手厚いサポートを受けられる
このような認識が広まることを願います。
まとめ
元ドコモショップ店員として、当時感じていたこと、そして今思うことを紹介しました。
- ネットで機種変更すれば時間もお金も節約できる
- 自力でやって1時間かかっても2万円節約のためにやる価値あり
- ショップ店員はサービス案内のプロであって、スマホには詳しくない
手続きはネットでできるからリアル店舗は不要だ、とまで言うつもりはありません。店舗での対応を必要とする人はこれからも間違いなくいます。
ただ、一個人としては、自分で知識を身に着けたほうが、お金も時間も節約できていいと考えています。
- 店舗数の減少
- 各種手数料の新設・増額
- オンライン手続きとの料金差別化
今後もこの流れが変わることはありません。リアル店舗利用者に有利にはたらく変更はあり得ないでしょう。
自分で調べられない、身近に相談できる人がいない方は、ぼくのTwitterにDMをいただければお手伝いさせていただきます。
次に機種変更するときはぜひ、オンライン手続きで2万円の節約にチャレンジしてください。
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