Anker PowerCore 10000はもう時代遅れです

Amazonや楽天でモバイルバッテリーを探したことがある人なら、一度は見たことがあるであろうAnker PowerCore 10000。

はっきり言いますが、2024年にもなってこれを買うなんてありえないです。絶対におすすめしません。これをおすすめする記事や動画を2024年にもたくさん目にしましたが、正直信じられません。

「世界各国で累計600万台以上販売」
「Amazonで過去1ヶ月で5000点以上購入されました(2024年12月時点)」

こんな大人気商品をなぜ買ってはいけないのか。その理由を解説します。

目次

2015年発売はあまりにも時代遅れ

買わないほうがいいと断言する理由は、あらゆる要素が時代遅れだから。

Anker PowerCore 10000は2015年発売です。当時は、10000mAhのモバイルバッテリーとしては優れていたし、ぼくも購入して使用していました。でも、今は2024年です。あまり詳しくない人でも、9年前はさすがにきついだろと思うでしょう。

時代遅れと言える要素は主に4つ。

  • 入力がmicroUSB端子のみ
  • 出力がUSB-A端子のみ
  • 最大出力が12W
  • ランプ点灯による残量表示

例えるなら、縦型洗濯機でもドラム式洗濯機でもなく、洗濯板を買うようなものです。遠い昔においては洗濯板も画期的なものだったかもしれませんが、今となっては時代遅れです。

Anker PowerCore 10000も洗濯板も、無料でもらえるとしても使いたくありません。

理由①入力端子がmicroUSBのみ

Anker PowerCore 10000が時代遅れたる最大の理由は、充電端子がmicroUSBであること。これを見た瞬間、購入候補から迷いなく外すべきポイントです。

microUSBは、むかーしのAndroidスマホで使っていたこの台形の充電端子です。今でもこれを使っている人はいますか?

今ではスマホはもちろん、他の電子機器も充電端子はUSB-Cがほとんどです(Apple製品はLightningとUSB-Cが混在)。microUSBで充電する電子機器はごくわずかです。

にもかかわらず、Anker PowerCore 10000を買うと、これを充電するためだけにmicroUSBのケーブルが必要になります。普段使っているスマホ用の充電ケーブルと同じもので充電できるのか、モバイルバッテリーだけ別でmicroUSBケーブルを使わないといけないのか。わざわざ手間と荷物を増やしたい人はどうぞご自由に。

他製品でもいまだにmicroUSB搭載の端末を見かけますが、「microUSBで充電できます」ではなく、「microUSBでしか充電できません」が正解です。

理由②出力端子がUSB-Aしかない

USB-A端子って、なにかと不便なんですよね。

  • USB-Cより充電が遅い
  • 裏表を確認して差さないといけない
  • USB-Cの充電器とケーブルを兼用できない

昔はUSB-Aが当たり前でしたが、明らかに便利なUSB-Cが普及した今、あえてUSB-Aを使う理由は見当たりません。(あくまで充電の話であって、機器の接続などは別です)

とはいえ、USB-A端子を必要とする人がいるのも事実です。実際、ここ数年で発売された他のモバイルバッテリーでも、USB-Aも搭載しているものも珍しくありません。

USB-Aがあるのは悪いことじゃないんです。問題はUSB-Cがないことなんです。

理由③充電が遅い

このモバイルバッテリーの最大出力は12Wです。

はい、12Wと見た瞬間に、選択肢から除外です。遅すぎです。出力で充電速度がどの程度ちがうかは、テスト結果をご覧ください。GalaxyS24とiPhone12、どちらも残量1%から充電しています。

べつに充電が遅くてもかまわない、という人もいると思いますが、充電が遅いものをわざわざ選ぶ理由はありませんよね。

理由④残量ランプ表示

モバイルバッテリーによくある、電池残量を4段階のランプ点灯で表示する方式。これ、わかりにくくないですか?ランプが4つ点灯していても、80%前後だったらどうしようと思って、結局外出前に充電してしまうのはぼくだけでしょうか。

それに対して、最近のモバイルバッテリーは、1%単位でデジタル表示されるものが増えています。ボタンを押せば残量が文字通り一目でわかるので、これなら安心です。ぼくのなかでは、モバイルバッテリーを買うときに絶対外せない条件のひとつです。

残量なんてざっくりわかればいい、という人もいるようですが、どちらがわかりやすいかは言うまでもありません。ランプ表示式を進んで選ぶ理由はありません。

仮に、購入を検討しているモバイルバッテリーがめちゃくちゃ魅力的で、でも残量表示がランプ式、、、こういう場合は、そこだけ妥協して購入するという選択肢もありだとは思います。

ランプ表示の減点を補って余りある魅力は、Anker PowerCore 10000にはありません。

積極的に選ぶ理由はどこにもない

ここまで話した①~④はどれもぼくの主観だと言われればそれまでです。どの仕様も時代遅れだけど、使えないわけじゃありません。不便だと思わない人もいるでしょう。

  • microUSBやUSB-Aのためにケーブルが増えてもいい
  • 最大12Wで充電が遅くてもいい
  • 残量表示がランプ式でわかりにくくてもいい

こういう人もいるかもしれません。

今すでにAnker PowerCore 10000を持っている人が、新しいものを買わずに使い続けるというなら、100歩譲ってありでしょう。

でも、これから新しく買うのに、積極的に選ぶ理由には絶対になりません。

上位互換と言える製品が同価格帯であるのに、2024年にもなって今からこれを買うのはぜっっったいにやめたほうがいいです。

  • スマホの充電とはあえて別のケーブルを使いたい
  • 充電は遅いほうがいい
  • 残量は1%単位よりざっくりした表示のほうがいい

これからAnker PowerCore 10000を買っていいのは、胸を張ってこう言える人だけです。

なぜいまだにバカ売れしているのか

ぼくがなんと言おうと、

  • 世界各国で累計600万台以上販売
  • Amazonで過去1ヶ月で5000点以上購入された(2024年12月時点)

これらの輝かしい実績は紛れもない事実です。ではなぜ、そんなに売れているのか。

それは、カモがカモを呼ぶ地獄のループが終わらないから。

これが、2015年発売のAnker PowerCore 10000が今でも売れ続けている理由です。決して、2024年にも現役として申し分ないからではありません。

  1. モバイルバッテリーを探す
  2. Amazonでバカ売れしてる
  3. 記事や動画でもおすすめされている
  4. Ankerなら良いだろうとこれに決定する
  5. 売り上げ実績が伸びる(カモが釣れやすくなる)
  6. 記事や動画で紹介されやすくなる
  7. 1に戻る

2024年にこれを買った人がどんな感想を持ったのか、この仕様をちゃんと理解したうえで買ったのか、聞いてみたいものです。Amazonのレビューにはわりと最近書かれたものでさえポジティブなコメントが並んでいますが、到底信じられません、、、

ちなみに、「モバイルバッテリー売り上げランキングTOP10」みたいな記事にもよく登場します。売れているのは事実ですからね。売れている理由はさておき、、、

ネットでおすすめされるのはお金になるから

勘違いしている人がいたらいけないので、はっきりさせておきますが、ネットでおすすめされるのはお金になる商品です。

記事や動画で紹介している人は、広告費を稼ぐためにあなたに商品を買ってほしいんです。そこで紹介するのは、「あなたが買いそうな商品」と「あなたに本当におすすめの商品」のどちらでしょうか。

答えはもちろん、「あなたが買いそうな商品」です。もっと言えば、買わせやすい商品です。

そして、それがずばりAnker PowerCore 10000です。カモを釣る餌として超優秀だからとりあげられるんです。

だってAmazonでバカ売れしてるんですよ?
累計販売600万台ですよ?

こんなものほっといても売れるじゃないですか。自分が詳しくないジャンルでこんな実績を見たら、ぼくも釣られるかもしれません。

この1年間で6万人以上の人が犠牲になったわけですが、来年以降も当分続くでしょう。そのうち、累計700万台なんて言ってるかもしれません。

ここに来てくれたみなさんが地獄のループにはまらないことを願います。

2024年の今買うならどれなのか

では、これから10,000mAhのモバイルバッテリーを買うならどれがいいのか。

一番無難な選択肢は、Anker Power Bank 10000。

なんとこれ、Amazonで過去1ヶ月で7万点以上売れています。SNSでも絶賛されているので、見たことがある人も多いでしょう。

Amazonの売り上げ実績を出してきたぼくを疑ったみなさん、ここまで読んでいただきありがとうございます。その警戒心は大切にしてください。

とはいえ、Anker Power Bank 10000は2024年に買うモバイルバッテリーとして必要十分な性能は備えています。

  • 10,000mAhでスマホ約2回充電可能
  • 20W出力対応
  • USB-C×2、USB-A×1
  • 残量がデジタル表示
  • ストラップ式USB-Cケーブル付属

最大の特徴はUSB-Cケーブルをストラップとしてまとめて持ち運べること。セール時には3000円を切るので、バカ売れしているのも納得です。(※商品ページには最大22.5W出力と記載されていますが、対応しているのはHUAWEI製品だけなので、実際には使えないと思ったほうがいいです。)

  • ノートPCに使うには出力不足
  • ストラップ式ケーブルが邪魔

注意点としては、最大出力が20Wなこと。スマホの充電には充分ですが、ノートPCを充電するには力不足です。

また、これは完全にぼくの主観ですが、ストラップ式ケーブルは意外と邪魔です。ズボンのポケット、かばんの内ポケット、ポーチなど、どこに入れるときもかさばります。側面や底面にケーブルを収納できるタイプのほうがすっきりします。

少し高いですが、ケーブルを側面に収納できて、ノートPCにも対応可能な出力をもったCIOのSMARTCOBY Pro SLIM Cableのほうが個人的には好きです。

まとめ

2015年発売の商品のスペックが時代遅れだなんて、改めて言うまでもないと思ったんですが、あまりにも売れ続けているのでとりあげました。

近年は新しい充電器やモバイルバッテリーがどんどん発売されて、SNSでも数多く紹介されています。でも、そのなかで本当に良いと思える製品は一握りです。

充電器やモバイルバッテリーを選ぶときのポイント、はずれ製品の見分け方はまた別の記事で解説します。

この記事を書いた人

ドコモショップ店員歴5年。知ると少し生活が良くなるようなスマホ関連の情報を発信中。スマホはGalaxy。回線はLINEMO×povo。充電器はCIO。

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